ダコタハウスで捕まえて

本日は12月8日である。この日だけは私にとって何よりも象徴的な日である。そう、日本の終戦記念日であると同時に、私がbmbさんから村上春樹の「遠い太鼓」を勧められた日から113日経過した日なのである。この事実から分かることは、大和郡山市のとある書店で村上春樹の「遠い太鼓」を購入し、想像していたよりも分厚い文庫本にちょっとびっくりし、おっかなびっくり最初からページを手繰り始めたのだが、ものの数ページも読んだところで面白いエッセイ集だということが分かって、一気に読み終えたあの夏からすでに4ヶ月近く経ってしまったということである。その4ヶ月近くの間、僕がどんな新しいカフェで夏の暑さをやり過ごし、木の葉舞い散る散歩道でどんな美しい少女に恋をしてそして破れたかとか、いわゆるデビッド・カッパーフィールド式のくだんないことから書き始めねばならないのかもしれないが、その手の話をする気にはなれない。そんなことを書き連ねたところで退屈であくびが出るばかりだし、それにだいたい、僕が先日の名古屋出張へ持っていったスーツケースがうちのネコの爪とぎ代わりに使われていて、あちこちほつれているなんてことを知ったところで、君の知的好奇心が満たされるわけでもあるまい。

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サヨナラCOLOR

知人のsteraiさんが「男の片想い映画の最高峰。」とべた褒めしていた竹中直人監督・脚本・主演の『サヨナラCOLOR』(公式サイト)を見てみた。
悪い映画じゃない。どちらかといえば好きな部類に入る映画だ。でも、いまひとつ僕の「男の琴線」には触れなかった。

竹中直人演じる医師の佐々木は、別に片思いの権化ではなかった。
恋が成就しなかったという点では変わりはないが、高校時代にちゃんとヒロイン未知子に告白してるし。
(そして黙殺され、その後完全に忘れ去られることになるのだが)

むしろ、原田知世演じるヒロインの未知子の男を見る目のなさにいらつく。
当方男だけど。
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『失楽園』(黒木瞳のやつ)

なんだかよく分からないけれど、数週間前から妙に黒木瞳が気になって仕方がなかった。

普通に美人だし。
1960年生まれで既に47歳で、しかも子どもを産んでいるとは思えない色っぽさだし。

そんなわけで、黒木瞳の出演作をどうしても見たくなった。
そこで選んだのが『失楽園』(1997年公開)。
今より10歳若くてきれいな黒木瞳が見られるばかりか、エロくて艶っぽい濡れ場(←この言葉、死語?)も見れると思えば、どうしてこの作品を選ばないだろうか、いや選ぶ(反語)。

そんなわけで、メルシャンの安い赤ワインを飲み(本当は作中に出てくるシャトー・マルゴーを飲みたかった)、鶏肉とタマネギの雑炊を食べ(本当は作中に出てくる鴨とクレソンのお鍋を食べたかった)、アルコールと暖かい雑炊で血の巡りがよくなりながら(ついでに黒木瞳の艶姿にどこぞの血流も増えながら)、見た。
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ファンシイ ダンス

1989年作品。
もう20年近く前の作品。

公開当時「元シブがき隊のモックンこと本木雅弘がコメディ作品に」と話題になったような、ならなかったような。
よく覚えてないけど。

古きよき80年代の映画で、今から見るといろいろと笑けた。
「ウッソー!」だの「シティボーイ」だのといった台詞をはじめ、肩パッドがバリバリのジャケットとか、肩からカーディガンを羽織るおっさんとか、妙に太い眉毛とか出てきて、当時を懐かしめる年代の人々にとっては爆笑のオンパレード。

ていうか、そういう時代背景の細部だけじゃなくて、禅寺に入門した若い修行僧たちの目を通した俗世への未練とか、修行のややこしいお作法から来る困惑とかで笑わせてもらえるんだけれど。

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ラヂオの時間

先日借りてきた『ラヂオの時間』を見た。

いろいろポイントはあるんだろうけれど、今の僕にとっての最大のヒットは、ラジオ放送を聴いているトラック運転手。
ラストでトラックの外観が写るのだが、タンクローリーだった。
運転席の上には、バッファローの角がついてる。
エンディングロールを見るまで気づかなかったんだけれど、運転手役は渡辺謙だ。

これって、これって、映画『タンポポ』と同じだ!

『タンポポ』に出てくるトラックもタンクローリーだし、角が付いてるし、渡辺謙が運転席にいるし(助手役)。
こういうネタ大好き。
オマージュ?
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ウィノナ・ライダーのエログパーツ: 映画『ダーウィン・アワード』のプロモーション

2007年12月1日より、映画『ダーウィン・アワード』が公開になる。
この映画のプロモーションとして、ウィノナ・ライダーのエログパーツが配布されていたので、当blogにも貼り付けてみた。

なんだかよく分からない映画だが、予告編によれば、ダーウィン・アワードとは、最も愚かな方法で死んだ人に対し、バカな遺伝子を減らしたことへの感謝の気持ちから贈られる実在の賞とのこと。
生命保険会社に男女2人の調査員(ジョセフ・ファインズとウィノナ・ライダー)が、バカで早死にしそうな人々を見つけ出して保険から外すことで、会社の利益を増やそうとがんばる映画らしい。
予告編を見る限り、調査員の2人は最初はバカな人々を軽蔑しつつも、付き合ううちに彼らの行き方の素晴らしさに共感するとかなんとか、そういう話らしい。
<もにょもにょ>陳腐だ・・・</もにょもにょ>

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借りてきたDVD: タンポポ、ラヂオの時間、ファンシイダンス

先日ビデオ屋から「ゴッドファーザー」ほかを借りてきたので、今日返してきた。
ついでに棚を見回して、3つのDVDを借りてきた。

いずれも借りてきたばかりでまだ見てないのだが、以下にリストアップしておきます。
映画ファンを自称するみなさんは、このリストを眺めつつ、勝手気ままにウンチクをたれてください。
よろしくお願いいたします。

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まあだだよ

名匠・黒澤明の遺作となった作品「まあだだよ」を見た。
wikipedia で黒澤明の作品リストを眺めてみたが、僕は1本も見たことがないことがあらためてわかった。
別にクロサワを見たからといって偉くなるわけではないが、なんとなく教養が足りないような気がしないでもない。

1993年作品の「まあだだよ」は存在だけは知っており、所ジョージが好演しているという噂も聞いてはいた。
なんとなく興味はあって頭の片隅に留めていたのだが、結局そのままになっていた。

それが先日、この作品が内田百閒をモデルにした作品だと知り、俄然興味が増したのである。
そんなわけで、レンタルDVDで見た。

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ゴッドファーザー

見た。

3時間弱もある映画にもかかわらず、途中どうしても用を足したくなって一時停止してトイレに行ったこと以外、一時も目を離さずにきゅーっと全神経を集中させて見た。

近年の映画に比べれば、とってもシンプルで短いエンディングロールが、例の有名なテーマ曲とともに終わったとき、ふーっと大きなため息が出た。
全身の緊張が一気に弛緩した。
どうやら強くこぶしを握りすぎたらしく、手のひらを開けて見ると点々と爪の痕がついていた。

この映画を見るきっかけは、当blogのこの記事に因る。
原田宗典の映画エッセイ『私は好奇心の強いゴッドファーザー』を読んで、映画「ゴッドファーザー」に興味が惹かれたからである。

そのときの記事では、「ゴッドファーザーは、シミジミとした感情が沸き起こるらしい」てなことを書いていたが、実際に見てみたところでは、そんな気持ちのいいもんじゃなかった。
僕が見ていて感じたことは、メンツや権力欲に駆られて生きることのバカバカしさだ。

長い映画だし、たくさんの登場人物(とその思惑)が錯綜するので、見る人やその時の気分で大きく印象が変わる映画なんだろうと思った。
原田宗典が「シミジミした」というのも正しい側面なんだろうし、僕のように「バカバカしい」というのも別の視点からは正しいのだろう、きっと。

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007 ゴールドフィンガー

映画「007 ゴールドフィンガー」(主演: ショーン・コネリー、1964年作品)を見た。

本当は「ロシアより愛をこめて」を見たかったんだけれど、近所のレンタル屋で数ある007シリーズの中で「ロシア~」だけ貸し出し中だった。
その時点で出直してもよかったんだけれど、棚を見回していると、日産エルグランドのCM曲が頭で流れ出した。
ウソのようで、本当の話である。

♪ドヮーン ドヮーン
♪ぱわゎぁぁあ~
♪デューン デューン
♪ぷわゎぁぁあ~
ゴォォルドぉ フィンガぁ~
♪とぅるるるるぅ
ヒーザァ マン! ザ マン ウィザァ マイダス タッツ!

が印象的なあのCMソングである。

常日頃「温故知新」を座右の銘にしている当方は、この曲が「007 ゴールドフィンガー」の主題歌であることをきちんと知っていた。
とはいえ、その映画自体は見たことがなかったので借りることにしたのである。

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