木公 について

不良青年になりたいのですが、臆病で不良青年になれない当方です。 幸か不幸か、頭と顔と人格は、生まれつき不良品です。 職業は会社員で、やってることは研究関連。 大学での専攻は心理学。 そのせいかどうか知らないけれど、「理屈っぽいうえに、人の弱みを握ってそこをチクチクやるのが上手い。サイアクー」と言われ、あんまりモテない。 北海道出身のくせにスキーは一度もやったことがない。その上、スポーツ全般が苦手。 太陽光線もあまり浴びないインドア派。酔うとすぐにガンダムの話を始める。おかげで「あなたって、面白みのないオタクね。サイテー」と言われ、まったくモテない。 細かいことはあまり気にせず、ちょっとくらいの困ったことなら適当にジョークにして笑い飛ばすように、日々努力して生きています。 そのおかげで「そういう、明るく生きているところだけは、アナタのいいところかもね」と、ちょっぴりだけお褒めいただいております。

NHK『カーネーション』第9回

栗山千明様にはいつも「様」を付けてお呼びさせていただいているのだが、本まとめ記事でも栗山千明様にだけは敬称をお付けするべきであろうと思ったり、思わなかったりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第9回目の放送を見ましたよ。

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第2週「運命を開く」

糸子(尾野真千子)は働くことを通して、大人の自覚が芽生え始めている。もう朝寝坊はしなくなったし、往来を颯爽と歩くよう気をつけたりした。けれども、それにつれて、女学校がますますつまらなく思うようになった。学校に通うよりも、パッチ屋を手伝ってミシンを使うほうが楽しいのにと思うのだった。

パッチ屋の主人(トミーズ雅)も、糸子の働きと熱意を高く評価した。女学校を卒業したら店で働いてくれと頼むのだった。糸子も喜び、そうするつもりになった。それどころか、今すぐにでも学校を辞めて働き始めたいと思うほどだった。久しぶりに、幼なじみの勘助(尾上寛之)と話す機会があり、糸子は気軽な気持ちで学校を辞めたいと打ち明けるのだった。

一方で、糸子がパッチ屋に出入りしていることが町の噂になり始めた。小原呉服店は娘を他所に働きに出すほどだと景気が悪いと陰口を叩かれているのだ。妹の静子(柳生みゆ)がそれを聞きつけ、家族には内緒にしたまま、糸子に真偽を確かめた。ところが、糸子は少しも悪びれたところがなかった。その様子を見て、静子は父・善作(小林薫)の耳に入ったら大変なことになると心配するのだった。

実際、善作の呉服店は調子が良くなかった。「小原呉服店は品揃えがよくない。少し遠出してでも、心斎橋の呉服屋で誂えたほうが良い」などと陰口まで言われる始末だった。大地主・神宮司(石田太郎)の娘が嫁入りすることになったことを受けて、料理店・吉田屋の主人(鍋島浩)もそのように勧めた。神宮司に呼び出された善作は、部屋に入る直前に、ふたりがそう話しているのを耳にしてしまった。しかし、人前では気の小さい善作は、卑屈な作り笑いを浮かべて聞かないふりをするしかなかった。

ところが、神宮司は娘の嫁入り衣装一式を善作に任せると行って来た。善作との古い付き合いであることはもちろん、善作の商売が苦しいこともよく承知していた。だからこそ、善作を助ける意味でも依頼したいのだ。善作はたいそう喜び、張り切って仕事をすると請け負った。

ある日、糸子の母(麻生祐未)方のおじ・松坂正一(田中隆三)が訪ねてきた。母方の祖父(宝田明)は神戸で紡績会社を経営しており、おじもそれを手伝っている。繊維産業が盛んな岸和田にはよくやって来るし、その度に糸子の家も訪問するのだ。
けれども、義理の兄を苦手にしている善作は、正一の姿を発見すると、見つかる前に逃げ出してしまった。

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NHK『カーネーション』第8回

椎名林檎の『カーネーション』を鼻歌すると、いつも必ずNOKKOの『人魚』になってしまうのはどういうわけだろうと思ったり、思わなかったりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第8回目の放送を見ましたよ。

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第2週「運命を開く」

裁縫の授業で、布を縫う機械の名前について質問し、糸子(尾野真千子)は「ミシン」という言葉を覚えた。そして、毎日、桝谷パッチ店に寄り道してはガラス戸から店内を覗いた。うっとりとミシンを眺めていた。
一方で、自宅で手縫いをするのが少しつまらなくなった。手縫いはミシンに比べて圧倒的に遅く、それが気に入らないのだ。

その矢先、父(小林薫)が家族のアッパッパ着用と糸子による縫製を禁じた。
父は、大地主(石田太郎)の息子が結婚するのに際し、立派な黒紋付が売れると期待していた。しかし、花嫁側の意向で洋装での挙式となった。しかも、大地主も、これからは洋服の時代だと言っている。それが父には面白くないのだ。
それで、洋服全てを目の敵にするようになった。糸子が抗議しても、もちろん聞く耳を持たなかった。

しかし、父の洋服禁止令は糸子にとってはそれほど痛手ではなかった。糸子は、ミシンを覗き見るだけで何事にも代え難い幸福感を感じていたからだ。

ある日、いつもと同じように戸口に立ってミシンを見ていると、店主(トミーズ雅)に声をかけられた。店にも糸子の存在は当然知られており、話題になっているという。糸子が裁縫やミシンに対する熱意を語ったところ、店主に気に入ってもらえた。店内に招き入れられ、間近でミシンを見学させてもらえるようになった。

何日か通っているうちに、ついに、実際にミシンを操作させてもらった。糸子は上手に使うことができた。店主にも筋が良いと褒められた。糸子は有頂天になった。嬉しくなった糸子は、店の雑用を進んで行うようになった。
ミシンが使えて楽しかったことに加え、糸子は働く楽しさや喜びをも知ることとなった。

働く喜びは、裁縫以外にも適用された。これまで家事の手伝いはほとんどして来なかった糸子であったが、突然食事の片付けをし始めた。糸子の豹変に、家族はたいそう驚いた。

糸子は、自分がひとつ働くと、周りがひとつ喜ぶ。それにともなって、自分がひとつ大人になるような気がした。自分が一歩ずつ大人になる事が嬉しかった。自分が働いたことを記録する「しごと帳」という日記を付け始めた。

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NHK『カーネーション』第7回

尾野真千子に関しては、先週の土曜スタジオパークにゲスト出演した時の様子(出演情報;ビデオあり)やtwitterの投稿を見て、「オーラが全くなくてマイペースなところが、かえって大物のオーラ感を醸し出してるよな」と思ったり、思わなかったりしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第7回目の放送を見ましたよ。

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第2週「運命を開く」

女学校へ通っている糸子(尾野真千子)は友だちも作らず、休み時間も裁縫のことばかり考えている。裁縫の授業も週に4回あるが、初歩的なことばかりで、糸子はその授業に身が入らない。自宅で好きなだけ裁縫をしようと思っても、授業は午後遅くまであるし、宿題もたくさん出るので、なかなか時間を割けない。

家の呉服屋の商売はあいかわらず不景気だった。なかば自棄になった父・善作(小林薫)は、謡教室を始めた。弟子も数人集まり盛況であった。善作は稽古の場で着物も売りつける算段であったが、そっちの方はからっきしであった。そのかわり、謡教室の月謝でいくらか家計が助かった。
けれども、糸子の女学校の学費や、さらに3人の妹たちの学費のことを考えると、依然として家計は苦しいのだった。

善作が集金を苦手にしているのも変わっておらず、今ではほぼ全ての集金を糸子に任せていた。女学校進学後、ただでさえ裁縫の時間が減ったことを不満に思っている糸子であったが、父の命令には逆らえるはずもなかった。今日は隣町への集金を命じられたので、いつもより余計に時間がかかることとなった。

初めての集金先で、糸子は少し道に迷った。
しかし、ふと覗いたパッチ屋の奥に、見たことのない機械を見つけた。何をするものかわからないまま見つめていると、職人がそれを操作し始めた。すると、あっという間にきれいに布が縫い合わされてしまった。

ミシンに初めて出会った糸子は強いショックを受けた。そして、それがまるでだんじりのようだと思った。自分が乗るべきだんじりは、あの機械なのだと思うのだった。

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ハート田チーム: 幼女と遊ぶ

休日の夕方、特に何もすることもなく、「スーパーでビールでも買ってきて、早い時間から飲みまくるか」というプランを立てた。歩いて5分のスーパーまで出かけ、予定通りビールを買い、買い物袋をぶら下げてのろのろと帰ってきた。

僕のアパートの前では、5-6歳くらいの女の子がふたり遊んでいた。彼女らは僕の方をジロジロと、遠慮もなく観察している。
確かに僕は、平和な住宅街には似つかわしくない風貌をしている。近所の人々から、職業不詳の不審者だと思われていやしないかと、いつもビクビクしながら暮らしている。小さな女の子の半径3m以内に近づいたら、それだけで通報されるのではないかと思い、幼女がいたらなるべく離れて歩くようにするなどの配慮もしている。考え過ぎかもしれないが。

幼女ふたりは、僕が玄関に近づくまでじっと見ていた。僕がドアの鍵を開けて、家に入ろうとすると、にわかに
「ただ!ただ!」
と騒ぎ出した。

文字にするとわかりにくいが、もう少し正確に表記するなら、
「”た”だ! “た”だ!」
という感じ。なんだよ、「た」って?
「た」に妙にこだわる謎の幼女に声をかけられるなんて、自分が吉田戦車の不条理マンガの世界に紛れ込んでしまったかのような錯覚を覚えた。

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『コドモのコドモ』

オトナのための性教育ビデオですかね、これは。

小学5年生の女の子(甘利はるな)が、妊娠・出産するというお話。
父親は、幼なじみで同級生の男の子(川村悠椰)。性に関する知識を全く持っていなかったふたりが、わけもわからず遊びの延長上で性交して妊娠するという流れ。あまりにあまりな設定だが、小学5年生ならば初潮・精通も終わっていて不思議ではない年頃なので、生物学的にはアリなお話だろう。
妊娠の事実はクラスメイトたちには知られることとなったが、大人達には一切秘密にされた。それでも胎児は時間と共に成長していき、主人公は破水してしまう。大人達の助けなしに小学生たちだけで出産に挑む。それもどうかというストーリーだが、駅のトイレで一人で出産してそのまま乳児を遺棄するというニュースもたまに聞こえてきたりするので(あんまりいいたとええじゃないけど)、まぁアリっちゃアリなお話しなのかもしれない。

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NHK『カーネーション』第6回

「俺のライバルは『5分でカーネーション』というネットで見れちゃう公式ダイジェスト映像だ(第1週)」とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第6回目の放送を見ましたよ。

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第1週「あこがれ」

糸子(二宮星)は、神戸の祖母(十朱幸代)からもらったドレスを近所のおばさん連中に見せびらかした。おばさん達は初めて目にする派手なドレスをからかいながらも、とてもきれいだと褒めてもくれた。
隣の履物屋の女将が、洋服の一種だといってアッパッパ(近畿地方の方言で、木綿製の簡易なワンピース。Wikipediaで調べる)を見せてくれた。そのアッパッパは自作の物だと言い、糸子にも自分で縫ってみるよう勧めた。

早速家に帰った糸子は、祖母(正司照枝)に余り布を見せてもらった。地肌にあう生地、羽織にあう生地など、素材の違いを簡単に教えてもらった。糸子は、生まれて初めて、生地が面白いものだと思った。

糸子は、さらしの生地をもらった。それは古くて黄ばんだものだったが、初めての布地がうれしくて、熱中して縫い物を始めた。母(麻生祐未)に声をかけられても聞こえず、食事も睡眠もそっちのけで、アッパッパの作製にのめり込んだ。

多少の難点はあったが、初めてのアッパッパが完成した。自分で着用し家族に披露したところ、みんながたいそう褒めてくれた。父(小林薫)も、将来有望だ、店の着物も糸子に縫わせよう、などと大はしゃぎであった。
糸子は嬉しかった。それからは、男子と喧嘩することもめっきりなくなり、学校が終わるや否や帰宅し、裁縫に明け暮れた。

しかし、ひとつだけ不満だったのは、岸和田のあたりでは洋服を着る人がまだほとんどいなかったことである。

昭和2年(1927年)。
糸子(尾野真千子)は成長し、女学生になっていた。ただし、おてんばなところは相変わらずだった。朝寝坊をし、台所で立ちながら飯をかっこみ、猛ダッシュで学校に向かった。

けれども、ひとつだけ変わったことがある。だんじりは今でも大好きだが、「大工方になりたい」とはもう思わないようになっていた。

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NHK『カーネーション』第5回

「関西に長く住みすぎたな。気がつけば、関西弁を喋らない女の子にはトキめかなくなってしまっている」とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第5回目の放送を見ましたよ。

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第1週「あこがれ」

糸子(二宮星)は、自分が女に生まれたこと、そして、その事によって自由が奪われている現実から、どうしようもない無力感に苛まれていた。

学校の帰り道、だんじりの倉庫の扉が開いていることに気付いた。忍び込んだところを泰蔵(須賀貴匡)に見つかってしまったが、彼は糸子のしたいようにさせてくれた。そこで、糸子はだんじりの屋根に乗ってみた。
しかし、糸子の気分は少しもよくならなかった。あんなに登ってみたいと思っていただんじりの屋根なのに、うす暗い倉庫の中で一人で乘ってみても、思っていたほどには興奮しないのだった。気がすんだか?という泰蔵の言葉にも、力なく首を振って去っていくのみだった。

家に帰っても、糸子は塞ぎこんだままだった。父・善作(小林薫)もさすがに糸子のことが心配になり、糸子に手を上げたことを後悔する素振りを見せた。ところが反省もつかの間、母・千代(麻生祐未)に責任転嫁し、千代がしっかりしていないから糸子がおかしくなるのだと、がなりたてはじめた。

その父の怒鳴り声を聞いて、糸子はますます自分が女である事が嫌になった。このまま大人になっても、一日中家に篭り、夫に叱られてばかりなのだと思うと失望した。

その時、神戸の祖母・貞子(十朱幸代)から小包が届いた。知り合いの外国人からおみやげに貰ったという、ピンクのかわいらしいドレスを送ってよこしたのだ。ちょうど、ドレスの絵を描いて妹たち(荒田悠良村上凜花田鼓)に見せてやっているところであり、糸子は思いがけない贈り物に有頂天になった。喜び勇んで、父や祖母・ハル(正司照枝)に見せに行った。家族はみんなが明るくなった。

しかし、貞子は寸法を知らずに送ってきたため、そのドレスは糸子には小さすぎた。そのため、次女の静子に着せられることとなった。糸子は少しも面白くなかった。3人の妹たちは、成長に連れて順にそのドレスを着る機会が訪れる。しかし、糸子だけは着るチャンスが全くないのだ。

糸子は、だんじりの大工方などの役割は、女である限り手に入らないと諦めていた。しかし、ドレスならば、女の自分でもいつかは着ることができるかもしれない。そう考えると、少しだけワクワクしてきた。

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NHK『カーネーション』第4回

「ネットでの評判を見ると、同じ関西弁でも岸和田と神戸の方言が使い分けられているらしいが、俺には聞き分けられねぇや」とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第4回目の放送を見ましたよ。

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第1週「あこがれ」

糸子(二宮星)は神戸の洋館で見た外国人達の着物のことが忘れられなくなった。岸和田へ帰宅してからも、ずっと夢うつつだった。
料理屋の娘の奈津(高須瑠香)に話したところ、「ドレス」という言葉を教えてもらった。

父・善作(小林薫)は、押しの弱い自分の代わりに、またしても糸子を集金に行かせた。しかし、だんご屋の主人は子供が相手だと思って、やはり代金を支払おうとはしなかった。一方の糸子は、金をもらうまでは絶対に店先から動かない覚悟だった。

そうして粘っていると、幼なじみの勘助(吉岡竜輝)ら悪ガキたちがだんごを買いに来た。彼らはだんご1本分の金で2本のだんごを持って逃げた。店を離れられない主人に代わって、糸子が彼らを追いかけ、だんごを取り返した。
糸子の行動に感謝と根負けをした主人は代金を支払ってくれた。

金を持って帰る途中、糸子は人数の増えた悪ガキたちに取り囲まれた。だんごの仕返しをするために集まったのだ。初めは相手にする気のなかった糸子であったが、「女だからといって容赦しない」などと自分の性別について言及されたことに堪忍袋の緒が切れた。河原でガキ大将と取っ組み合いの喧嘩を始めた。

喧嘩は糸子の優勢だった。しかし、川の中でもみ合っているうちに、集金したばかりの金が流れてしまった。それを取り戻そうとしたが、ついに糸子も溺れて流されてしまった。
その時、たまたま騒ぎを聞きつけた大工(かつ、勘助の自慢の兄)の泰蔵(須賀貴匡)が川に飛び込んで糸子を救助してくれた。金は失ってしまったが、全員身体は無事だった。

家に帰ると、糸子は父に金を失ったことを謝った。
善作は金のことは何も言わなかった。その代わり、女が男に張り合ったことについて、怒鳴り声と張り手で叱責した。女が男に敵うはずがないというのが、善作の一貫した態度なのである。

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「クラブトーク」の山瀬まみ

この番組は知らなかったし、当然この時の山瀬まみも初めて見る。

現在の「そつなく優等生的なアシスタント」的山瀬まみじゃなくて、軽い毒舌で正直に喋ってた時代の山瀬まみ。こういうズバズバ喋ってる頃の山瀬まみが特に好きな当方。メイクや衣装も、現在の山瀬まみよりもアダルトな感じで良いですな。


クラブトーク #11 山瀬まみ 投稿者 elevenmiracle

NHK『カーネーション』第3回

「確かに、二宮星&小林薫の『じゃりン子チエ』実写版は見てみたいな」とひとりごちている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第3回目の放送を見ましたよ。

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第1週「あこがれ」

父・善作(小林薫)に頼まれ、料理店・吉田屋へ集金に来た糸子(二宮星)。しかし、吉田屋の主人(鍋島浩)は翌日払うと言って、支払いに応じない。

糸子は、吉田屋の玄関の前にうずくまり、来店客の前で泣き真似を始めた。集金できなければご飯がもらえないと訴え、客の同情を引く作戦だった。その策は成功し、客たちは糸子の味方になって主人を説得してくれた。いつまでも店の前に居られても困るため、主人はしぶしぶと着物の代金を支払った。

ことの成り行きを心配していた善作であったが、糸子が金を持って帰ってくると大喜びした。父が自分の首尾を褒めてくれたことで、糸子も嬉しくなった。
父は、糸子が男の子だったらどんなに良かっただろうかと話し始めた。一人前の商売人として、自分の片腕として、しっかりと教育を施し、店をもっと大きくできただろうにと想像するのだった。
糸子も全くその通りだと思った。だから、自分は女だけれど、一人前の商売人になることができると胸を張って答えた。しかし、その途端に父の態度が変わった。女の役割は自分で商売をすることではなく、良い所に嫁いで夫に仕えることなであると諭すのだった。そう言われて、糸子も不機嫌になるのだった。

大正14年(1925年)の正月になった。
糸子は、母・千代(麻生祐未)に連れられ、神戸にある母方の実家を訪ねた。祖父母の家は金持ちであり、家が大きく、おせち料理も豪華で、調度品も立派なものであった。

実は、千代は年始の挨拶にかこつけて、実父の清三郎(宝田明)に金の無心に来たのだ。善作の商売下手や不景気のせいもあり、問屋への支払いに窮していると白状した。
清三郎は、商売の責任者である善作が説明に来ないことに腹を立てた。そして、その矛先は千代に向かった。千代がおっとりしすぎて油断しているから夫がつけあがるのだと小言を始めた。さらには、そもそも善作との結婚には賛成していなかった、駆け落ち同然だったから止める間もなかったと言ってへそを曲げてしまった。

その頃、糸子はイトコの勇(大八木凱斗)に外国の珍しい調度品を見せてもらっていた。しかし、タイタニック号の模型や地球儀などにはまったく興味を持つことができなかった。注意が散漫になってあちこち見回しているうちに、糸子は陶器の人形に目を留めた。それは、糸子が見たことも想像したこともなかったような、美しい衣服を着けた人形だった。

糸子がドレスに興味を抱いたことを知った勇は、彼女をある洋館に連れて行った。こっそりと忍び込んで大広間を覗くと、そこでは大勢の外国人が盛装してパーティーを行なっていた。糸子は女性たちのドレスに目が釘付けになってしまった。
ふたりの侵入は、パーティーの出席者たちにすぐに見つかってしまった。けれども、叱られることも追い出されることもなく、むしろ歓迎されてしまった。ふたりは外国人の紳士淑女たちと手をつないで踊るのだった。

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