最近寒いし、朝はなかなか起きられないのだが、ベタながら「糸子に元気をもらおう!」と思えばサクリと布団から出ることのできる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』の第17回目の放送を見ましたよ。
昭和5年(1930年)夏。
糸子(尾野真千子)がパッチ店で修行をはじめて2年が経過した。
店では未だに一番下っ端であった。それでも、ミシンでの縫製も任されるようになり、裁断から仕上げまで一人でこなせるようになった。しかし、まだまだ失敗ばかりで、先輩に怒られては糸をほどいてやり直しを命じられている(糸をほどく道具にちなんで「目打ちの小原」というあだ名まで付けられた)。
けれども、自分自身で成長が感じられ、活き活きと仕事に打ち込んでいた。
最近の糸子は、幼なじみの勘助(尾上寛之)の家によく出入りをしていた。中学を卒業して紡績工場で働き始めた勘助は、仕事がキツイといっては弱音を吐き、しょぼくれてばかりいる。就職経験が長く、元来姉御肌の糸子は、勘助を叱咤激励した。それでも勘助の態度は改まらず、糸子は呆れるのだった。
勘助の義理の姉・八重子(田丸麻紀)と話をするのも楽しかった。一見すると彼女は地味なタイプだが、よく見ればおしゃれな女性で、ファッション雑誌を購読しており、洋服にも詳しかった。
八重子から洋服を縫わないのかと聞かれ、自分の本来の夢が後回しになっていることに気付いた。パッチ店での仕事は楽しく、真剣に取り組んではいるが、洋服を縫うという目的を見失っていたのだ。帰宅すると、幼い頃に祖母からもらったドレス(第5回)を引っ張り出し、みんなから忘れ去られ色あせてしまったドレスの様子に、自分の洋服への夢を重ねあわせた。そして少々落ち込んだ。
がっかりしながら家の前の往来を見ていると、洋服を素敵に着こなした女性の後ろ姿が見えた。このあたりで洋装をする人は珍しく、糸子は慌てて後を追った。するとそれは奈津(栗山千明)だった。糸子は腹の底から悔しくなった。自分の夢だったものが、奈津に先をこされて心底悔しかった。自室の床にのたうち回って悔しがった。
自分も早く洋服を作らなければ、と決意した。しかし、決意した瞬間、父・善作(小林薫)が一家に洋服禁止令を出していることを思い出した。洋服を作っていることがバレたら、父がどれだけ激怒するか分からない。糸子は困ってしまった。
八重子に悩みを打ち明けると、彼女は最初に善作用の洋服を作ってみたらいいとアドバイスしてくれた。口では文句を言っているが、娘が手作りした物なら喜ぶし、実際に着てみたら良さもわかるだろうというのだ。
糸子はその気になった。
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