本屋で見つけたもの、見つけられたもの

ほとんど誰からも省みられていないことを知っているが、昨年の12月に「2007年度 alm-ore お薦め本ベスト10」という記事を書いた。

そこで、3位に取り上げている『獄窓記』(山本譲司)が文庫になって販売されているのを本屋の棚を眺めていて知った。
文庫化に当たっての著者のあとがきと、精神医学者のなんとかさんの解説が付いたようだ。

なお、前回の紹介文はこんな感じ。

元衆議院議員の著者は、秘書給与の不正利用によって起訴され実刑判決を受ける。つまり、刑務所に入れられた。
腹黒い政治家なら、自分の罪の弁解するために本を書いたりテレビに出たり、講演会をしたりするかもしれない。しかし、山本氏は自分の罪を潔く認め、しっかり反省の弁を述べている。実際、釈放後も選挙に出るでもなく、政治生命を自ら絶っている。そういう意味で、本書は色眼鏡で見る必要は一切無い。
しかし、本書は単なる懺悔書に終わっているわけではない。彼は刑務所の中で障害者ばかりが収容されている部署の担当を任される。その中で、「シャバではどこにも雇ってもらえない。刑務所でしか生活できない」と訴える人々の存在を知ることになる。この経験を元に、彼は福祉政策のためのボランティアとなっていく。
両方ハードカバーで重たいが、ぜひ続編の「累犯障害者」とセットで読みたい。

ハードカバーなのがネックだったのだが、今回の文庫化で安くなったし、持ち運びもラクチンになったのでますますお勧めです。

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マック・マクド・マクダーナル

僕らのジャンクフードの王様・マクドナルドですが、それを何と呼ぶかで、お里が知れるとか、知れないとか。

関東地方では「マック」と呼ばれ、関西地方では「マクド」と呼ばれるとか。
当方は道産子アイデンティティーを有しているので、京都に住もうがなんだろうが、とにかく「マック」と呼んでる。
たまに関西出身者との間で、醜い「マック vs マクド」論争をしたりしなかったりするが、英語の語感的にも「マック」が最適だと信じてる。
それに対しては、コンピュータのマッキントッシュと区別が付かないから「マクド」と言うべきだという意見もぶつけられたりするのだが、とりあえず「ビートルズと “Apple” の商標で争った過去のある会社なんだから、んなこたぁどうでもいい!」と全く理由になっていない理由で拒絶することにしている。

こういう関東人と関西人との醜い言い争いを尻目に、「マクダーナル」と発音する、スカした舶来帰りも巷にいるとか、いないとか言われているが、幸いなことに僕はそういう人物には過去1人にしか出会ったことがない。
ただ、彼が本気でそう言っていたのか、ネタで言っていたのかはよく分からないし、今さら突き止めようとも思わないので、この話はこれくらいにしておく。

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『カラースケッチも3分』 山田雅夫

当方の絵心のなさは、一部ではよく知られている。

小学校の図工で自画像を描いていたとき、あまりのヘタさ加減をクラスメイトにバカにされ、机に突っ伏して本気で泣いたのが小学校2年生のとき。
画家の息子と友達になり彼の家に入り浸っていた時分、「木公君も絵を描いてみないか?」とそこのお父さんが声をかけてくれたのに「僕は絵を描くのが大嫌いです」と言い放ち、彼をガッカリさせたのが小学校5年生の時。
美術の先生が学級担任となり、彼との面談で嫌いな科目は何かと聞かれ、「はっきりいって、美術です」と胸を張ってこたえ、気まずい1年間を過ごしたのが中学1年の時。

そんな僕なのだが、いつかちょっとしたイラストが描ける人間になれたらいいなぁ、とは思っていた。
そしたら、本屋でたまたま『カラースケッチも3分』という本が平積みされていたので、つい買ってしまった。
中身をほとんど見ずに、ほぼジャケ買い。

気分は、管理職になったばかりで、不慣れな部下の扱いに困っているおじさんが「1日10分の努力で部下の気持ちを掌握する!」とかなんとかいうハウツー本を買うようなものか。
「口説ける!誘える!ヤレる! –オンナはこうやって落とせ」という本を買うような気分と言ってもいいかもしれないし、だめかもしれない。

とにかく、1週間後には自作カラーイラストが、当blogにバンバン載るような状況を想像しつつ1ページ目を開いた。

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広辞苑 [第6版]

ちょっぴり遅いお年玉なのか、随分のんびりしていたクリスマスプレゼントなのか、判断は難しいところなのだけれど、とある筋から『広辞苑 [第6版]』を贈り物としていただいた。

実は恥ずかしながら、自宅に1冊も国語辞典を所蔵していなかった当方。
別に生きていくうえで必須なものではないし、まぁインターネットさえ使えれば、たいていの言葉の意味はすぐに調べることもできて、困ったりはしていなかったんだけれど。
しかし、なんとなく現代人の教養のある一つの最低ラインとして(他の最低ラインとしては「ガンダム」を挙げておく、とりあえず)、広辞苑くらい持ってないとダメかなぁ・・・と、思った次第。

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医療市場の是

【注: 2008/01/04追記】
以下の文章には、特定の境遇にある人々(貧困層)を蔑視しているようにとれる表現が含まれています。これは、なるべく読み手の興味をひきつけようとして、あえて扇情的な表現を使用したためです。表面上の表現とは異なり、筆者自身は貧困層の支援をする方法をマジメに提案しているつもりです。その点を勘案の上、本文をお読みいただければと思います。


「患者の皆さん、あきらめてください」(天国のビザ)という、界隈でちょっぴり話題になってる話。

95歳の認知症の男性が入院し、AB型の血液の輸血が必要となった。しかし、血液が不足していて、治療に十分な血液が手に入らなくなってしまった。

患者の家族は、どんな手段を使ってでも治療をして欲しいと訴える。
それに対して、このブログの著者でもある医師は、この患者の治療にあまり積極的になれない。理由は、医療資源(この場合は血液)は有限であり、その使い方や優先順位を考慮すべきだと考えたから。同じ量の血液を使うなら、そもそも寿命の迫った老人と、それよりも長生きする可能性の高い若者と、どちらに輸血するのが適切か。
#なお、最終的にどういう判断をしたのかは、本文中には書かれていないので分からない。

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最低賃金

最低賃金は、労働者に最低限の生活水準を補償するために設けられている制度。
しかし、賃金単価が上がることで企業は労働者を雇いたくなくなるので、失業が増える。
また、今すぐ働くことのインセンティブが高くなる。つまり、教育を受けて将来高い賃金を得るように努力するよりも、最低賃金法のオマケが付いた賃金を今すぐ貰ったほうが良い。だから、職業訓練を受ける人が少なくなり、非熟練者が増える。

さらに、こんな問題も。

最低賃金労働者のすべてが、家族を貧困から脱出させようと努力している所帯主であるわけではない。実際、最低賃金を稼いでいる人のうち、所得が貧困ラインを下回る過程の人間は3分の1未満である。彼らの多くは、余分に支出するお金が欲しくてパートタイムの仕事で働いている中流階級の家庭の若者なのである。

『マンキュー経済学: ミクロ編 (2版)』 p.169

一律に最低賃金を決める(中流階級の最低賃金も高まる)よりも、所得の少ない人に政府が補助金を与える(本当に生活できない人だけを助ける)のが、より良い方法だ。

第1章: 経済学の十大原理 (マンキュー経済学)

『マンキュー経済学』 第1章まとめ

【経済学とは何か】
世の中の資源には限りがある(希少性)。そのような希少な資源をどのように管理するかを扱うのが経済学。
そのため、個人がどのように意思決定するのかとか、人々がどのように物を交換するかとか、世の中全体にどんな現象が起きるかとかを対象にする。
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『ゴールデンスランバー』半分まで / 人妻に萌えている

若手の気鋭政治家が日本の首相に就任した。
カリスマ的人気のある政治家であり、政権交代を伴った首相就任なので国民の期待も高かった。
仙台出身の彼は、地元の大歓迎のもとパレードを行う。

彼の乗ったオープンカーに一台のラジコン・ヘリが近づき、搭載された爆弾が爆発。
大観衆の見守る中、首相が暗殺される。

地元の失業者・青柳雅春は、その時、大学時代の親友に数年ぶりに呼び出されていた。
親友の様子はどこかおかしい。特に重要な話があるようには見えないし、彼から差し出されたペットボトルには睡眠薬が混入されていた。

ついに親友は打ち明ける。
おまえは、陥れられている。今も、その最中だ。・・・似げろ!オズワルドにされるぞ!

首相暗殺の瞬間、青柳雅春は現場から離れて、親友とそんな話をしていた。
しかし、そのアリバイを証明する者はいない。

かくして、青柳雅春は首相暗殺の容疑者となり、警察に追われる身となる・・・。

以上が、おもなあらすじである。

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