「誰も寝てはならぬ (7)」サライネス

本日発売。

相変わらずユル~い展開の「誰も寝てはならぬ」ですが、7巻はちょっと切ないお話が多い。
特に、ヤーマダ君の切ない話が2本。

まずは、「SS129 クワトロ切ない話」。
本屋で全く躾のなっていない子供を見つける。
母親も母親で、自分の子供をまともに注意する素振りもない。
どんな母親だよ、とその女性をよく見てみると別れた妻だった。
切ない。

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「猫語の教科書」ポール・ギャリコ

全ての猫、必読!

本書は、匿名の猫が世の子猫やのら猫たちに向かって、人間社会で生き抜く秘訣を記した貴重な手記。

あくまで、猫の猫による猫のための啓発書である。
そのため、タイトルは「猫語の教科書」となっているが、人間が読んだからといって猫と話ができるようになるわけではない。

原著名は “The Silent Miaow” (1964) となっている。
直訳すれば「声を出さないニャーオ」(この鳴き方の説明も本書の中でなされている)。
しかし、邦訳タイトルとしては「猫が人間を飼いならす方法」の方がしっくりくる内容だ。

のら猫が愛くるしさを振りまいて、如何にして人の家にもぐりこんで快適な生活を享受するかが、事細かに書かれている。
猫を飼い始めることに猛反対している夫をどのように手なずけるかとか、マズイ餌ばかり出す人間に美味いご飯を準備させるにはどうすればいいかとか、人間の作業を邪魔する(そして、自分の遊び相手にする)ための効果的な方法など、人間が知らなかった猫たちの知恵を垣間見ることができる。

あなたはもうきっと、この本を手引きに、人間の一家を乗っ取ったことと思います。あなたの家族は、結婚していようが、子供がいようが、独身男だろうが、キャリアウーマンだろうが、あなたに夢中で、あなたのことをほかに類を見ないすばらしい猫だと思っていることでしょう。猫の望みを何でもかなえてくれるばかりか、こちらの喜びそうなことを先まわりして探してくれさえするでしょう。あなたの生活は安定しているというわけです。

ポール・ギャリコ(灰島かり 訳)「猫語の教科書」 p.171

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「四畳半神話体系」森見登美彦

森見登美彦お得意の丸太町界隈を舞台に、大学生活の2年間を「実益のあることなど何一つしていない」 “私” がパラレルワールドに迷い込んでしまって難儀する話。

4章からなる作品群のいずれも全く同じ書き出しで始まる。
一部には「同じ話を何度も読ませるなんて詐欺だ。しかも、あちこちコピペの痕が見えまくり。金返せ」と憤る人々もいるかもしれない。
確かに、主人公がパラレルワールド・ネタに巻き込まれ、どれが本当の自分なのか分からなくなってしまうという題材は、ある意味、手垢がつきまくっていると言っても過言ではない。

しかし、僕はパラレルワールド・ネタが嫌いではない。
様式が決まっているからこそ、作り手の個性や構成の妙が際立つわけで、読み手としては作者の力量を楽しむことができるから。

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「パレード」川上弘美

川上弘美の名作「センセイの鞄」からのサブストーリー。

センセイとツキコさんが、ふたりで台所に立って、騒がしくそうめんを作っている。
偉そうに突っ込みを入れるセンセイと、ちょっぴり拗ねて見せるツキコ。
既にナニも勃たなくなってる年齢のセンセイと、とっくに薹が立ってしまっているらしいツキコなのだが、その”遅れてきた新婚生活”は、とてもゆったりとしていて愛くるしい。

しかし、本書の主題はふたりの後日談というよりも、ツキコが語る小学校時代の奇妙な昔話。
そして、その昔話の背後にある小さな罪の懺悔にフォーカスが当たっている。

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喫茶あるむ

あるむとぬいぐるみご存知、我が家のアイドル猫の名前はあるむです。
名前の由来は、当blogのタイトルから。猫が先ではなく、blog が先です。

あるむへのアメリカ土産として、Newport から弟猫が連れてこられました。
このぬいぐるみ猫の名前はまだないので、何か良い名前を思いついた人は教えてください。

さて、そんなうちのあるむですが、名前をつけた時によそにも同じ名前の猫ちゃんがいないかと思って、ぐぐってみたことがあります。
結局、少なくともグーグル先生の検索結果ではあるむという名前の猫は見つからなかったのですが、代わりに奈良市内に「喫茶あるむ」というお店があることを知りました。
あるむの飼い主として、いつか行こうかと思っていたのですが、結局そのままになって今日に至りました。

ところが今朝、りんちゃんのお母様であらせられる方から、以下のようなメールを頂いた。

昨日、奈良のこんな喫茶店に行ってきました。
もちろん店名に惹かれて。
いや、チーズケーキも大好きなんですけどね♪
http://www.foods.co.jp/cheese/tankentai/nara05.html

ぜひデートの時に行ってみてくださいね。

うぉ、あるむの飼い主たる当方より先に喫茶あるむに行くとは。
思いっきり悔しくなる、あるむの飼い主たる、俺。

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登美彦氏、抗議する。

ありがたいことに、5日ほど渡米なるものをさせていただいておりました。

その間、11日に行われたWBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助 vs 亀田大毅 がいろいろと香ばしいことになっていたようで。
ボクシングそのものよりも、舌戦の泥沼の方が注目を集めているとか、いないとか。
ボクシングの試合では内藤の圧勝だったようですが、舌戦においても、口下手とはいえ内藤の”オトナの対応”が好感をもって受け入れられているようですね。

そんな中、さきほど帰宅して、大好きな作家であるところの森見登美彦のブログ “この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ“でも、プチ Amazon 場外乱闘が発生していることを知る。

だが、『奈良県民が京都を舞台に描くなど故郷の奈良山へ戻ればいいものを』というのはどういうことだ。この一節は『奈良県民が京都を舞台に描くなど(生意気である。したがって)故郷の奈良山へ戻ればいいものを』ということではないか。奈良に生まれた人間は、奈良から出てくるなということか。腹の内でそう思っている人もいるだろうが、しかし、よくもまあ!よくもまあ!
登美彦氏、抗議する。

(リンク先削除済み)

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爆笑問題のニッポンの教養: 書籍版

NHK爆笑問題のニッポンの教養の書籍が9/26に発売になるとのこと。

ラインナップは

  • 「生命のかたちお見せします」浅島誠
  • 「現代の秘境は人間の”こころ”だ」中沢新一
  • 「宇宙人はどこにいるのか?」井田茂
  • 「人間は動物である。ただし……」山岸俊男

の4冊。

お約束で、放送も見たし、山岸俊男編だけ予約した。
本当は4冊とも欲しかったんだけれど、そこはお小遣い問題。

放送のやつはあんまり評判がよくなかったけれど、書籍版はどうだろうか。

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『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

9月も中旬に入ったけれど、まだまだ暑い日が続いて、もうやるせなくなってきている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

これだけクソ暑いと
「早く、冬にならねぇかなぁ。寝汗をかきながら夜中に目が覚めて、忌々しく恨み言をいう必要もなく、暖かい毛布にくるまって、猫ちゃんを湯たんぽ代わりに抱いて寝たら気持ちいいだろうなぁ。」
なんて、思わずにいられないわけで。

でも、冬になったら冬になったで、
「クソ寒ぃ。風邪はひくは、ハナは出るわ。早く夏にならねぇかなぁ。こんな重苦しい掛け布団なんてうっちゃって、タオルケット一枚で大の字になって眠りたいぜ。照りつける太陽が懐かしい。」
と、たった半年前にあれだけ怨んだ夏を賛美し、あれだけ待ち望んだ冬をこの世の地獄のように感じるようになってしまうわけだが。

ついには、北風に吹かれながら、季節外れで、時代遅れな松田聖子のヒット曲まで口ずさんでしまうわけである。

フレッシュ!フレッシュ!フレッシュ!
夏の扉を開けて
私をどっか連れて行って
「夏の扉」作詞:三浦徳子

1970年12月、それほど厳しくない気候のロサンジェルスではあるが、主人公は重苦しい冬に嫌気がさし、夏を求める。
彼の飼い猫ピートが、家に11ある扉の一つ一つを調べ、夏へと続く扉を求めるように。
ハインラインの『夏への扉』はそんなシーンから始まる。

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「源氏物語」に思う。思わざるを得ない。

先日、本屋の店頭で気を失い、瀬戸内寂聴の「現代語訳 源氏物語(一)」を購入したところで気がついた。
しかも、単行本版。家に帰ってきて amazon で調べたら、半値で文庫版が出ていることを知って、再び気が遠くなった。
気を取り直して、2巻以降は文庫版を買うことにした。

そんなわけで、「源氏物語」なのである。
当方にとっての源氏物語といえば、高校の時の国語の教科書に「桐壺」の冒頭部分が掲載されており、そこを授業で勉強したのがほとんどである。

追加知識としては、
「光源氏はロリコンで、かわいい幼女を引き取って育て、年頃になったら美味しくいただいちゃう。そのくせ、ほかの女性にもモテまくりで、あっちこっちでヤリまくり。」
といった、どう考えても青少年の健全な育成には好ましくない表現がふんだんに使用されているわけだが、物語の本質を突いていないような、突いているようなものである。

こんな自分の知識が、果たして正しいのか否か、きちんと見定める必要がある。
そんなわけで、源氏物語を読み始めたわけである。

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