『見仏記: ゴールデンガイド』 いとうせいこう・みうらじゅん

当方の見仏趣味を啓いてくれた、いとうせいこう・みうらじゅんの最新作『見仏記: ゴールデンガイド』が発売になった。
前作「見仏記: 海外篇」からは7年ぶりだそうだ。

2003年から1年間、web KADOKAWAに連載されていたものをまとめてある。いとうせいこうのあとがきによれば、連載末期にみうらじゅんがやる気をなくしてイラストが未完成のまま放置同然だったらしい。それを今回みうらじゅんがイラストを描く気を起こして、本書が完成したとのこと。

今回のテーマ「ゴールデンガイド」とは、

マニアックは不可、メジャーどころにしぼって紹介。

p.207

だそうだ。

確かにスタートは奈良で花がたくさんあって有名な長谷寺だったり、3話目では京都で一二を争う有名どころの清水寺に出かけたり、4話目では同じく京都で桜の有名な醍醐寺を紹介したりと、「ゴールデンガイド」に恥じないラインナップだった。
#ちなみに、ここに挙げたものは京都移住後一度も行ったことがないので、行きたいと思ってる。

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4/29 NHK注目番組

2009年4月29日 0:45 – 2:15 NHK総合にて、「今夜も生でさだまさし」。
毎年年末に生放送されるのが恒例の さだまさし の深夜生放送番組。今回は長野からの中継らしいです。

一夜明けて、4/29 8:35 よりNHK総合にて、連続テレビ小説「だんだん: 総集編」の放送。前編は 8:35 – 10:03、後編が同日 10:10 – 11:38。
本放送を全て見た当方に言わせれば、史上まれに見るクソドラマだったわけだが。ドラマが始まって1ヶ月目だか2ヶ月目だかに放送された「これまでのまとめ的総集編」を見たときは、本編よりも面白かった覚えがある。冗長で演出もダメな感じの本放送だったのだが、総集編ではダメなところがうまくカットされて、ストーリーが分かりやすく編集されていたという、いい意味での期待はずれ。
今回の総集編も、期待が高まるところ。

高橋留美子展に行ってきた: トラジマオムライスも食べた

高橋留美子展パンフレットJR KYOTO ISETANで2009年4月25日(土) – 5月17日(日)の会期で行われている「高橋留美子展」に行ってきた。
#この後、名古屋、北九州、高松での開催が予定されている(週刊サンデー)。

高橋留美子の代表作「うる星やつら」、「めぞん一刻」、「らんま1/2」、「犬夜叉」の4作品の原画が、各作品30点ずつ(正確に数えたわけではない)ほど展示されていた。
各作品とも、連載ラストのクライマックスシーンの原稿(数ページ)が見れるようになっており、セリフ部分には活字が貼り付けてあって「ああ、このまま印刷にまわされたんだなぁ」と思うと、ちょっと感激。

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自分の誕生日において思うこと

本日は当方の誕生日。おかげさまで、35歳となりました。

誕生日にblogに何か書くとするなら、普通ならそれまでの生涯を振り返り、自分の思い出のエピソードを披露するにあたって、ちょっぴり誇張を施しつつ、自虐的に面白おかしい出来事に仕立て上げ、それでいて人の一生に関する何かしら普遍的なテーマをさりげなく挙げ、語り口は軽妙なのだけれども、どこかしら深遠で独特な考察を述べ、読み終わった人に深い感銘と一滴の涙を誘うような、そんな文章を書くのが理想ではある。

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草彅剛の事件について思うこと

23日未明、酒によって全裸で騒いでいたため逮捕された SMAP の草彅剛メンバー。
今朝、出かける直前にテレビでNHKの国会中継をつけていたら(ドラマ「つばさ」の流れ)、ニュース速報が流れてビックリしたものだ。

第一報の字幕は「公然わいせつで逮捕」であった。
NHKが国会中継を中断してこれ以上情報を流すことはないだろうと思い、フジテレビのとくダネ!にすぐにチャンネルを変えた。
その時は、何か他の話題をやっていて、ゲストが真面目な顔で何かコメントをしていた。彼(名前不詳)はコメントをしつつも、目はキョロキョロと泳いでいた。その横で、小倉智昭や笠井信輔もそわそわしていた。スタジオが騒然としている様子が画面を通して伝わってきた。

すぐにその話題は打ち切られ、警察署の記者クラブからの中継に代わった。そこの記者が、「公園内で一人で泥酔し、全裸で騒いでいた。近隣住民の通報で警察官が駆けつけたが、注意を聞かなかったため、逮捕した」という続報が流れた。
それを聞いたときには、女性や青少年に乱暴をはたらくなどでなくてよかったと思った。騒音のせいで迷惑を受けた人はいただろうが、被害も大きくなさそうで良かったと、本気でそう思った。

しかし、午前のうちに契約CMが次々と打ち切られるという情報が流れてきたり、午後には家宅捜索が行われるなどの情報が流れ、不穏な雰囲気を感じた。

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『人でなしの経済理論』で奇妙なデジャブ

ハロルド・ウィンター著・山形浩生訳『人でなしの経済理論: トレードオフの経済学』の2章、pp.27-28 に、著者がパーティーで知り合った女性との会話のエピソードがある。

彼女は保健政策が専門の若く知的な新任教授で、「人の命の価値は無限であり、それに金銭的価値をつけるなど言語道断」と考えている。それに対して “人でなし” の著者が「いやいや。あなた自身だって、無意識のうちに自分の命の値踏みをしてるよ」と丸め込むエピソードの箇所。

訳者の山形浩生は自身のサイトにたくさんのテキストを掲載している人であり、僕もちょくちょく覗くのでそこで読んだのだろうと思った。で、原稿バージョンと出版バージョンではどの程度違いがあるのか調べてみようと思って、彼のサイトで該当原稿を探した。
しかし、探せど探せど、見つからない。不可解だ。
#彼は商業雑誌の原稿とかもバンバン載せてるし。ちなみに、彼が自分の著作権について表明する文章は名文。

で、google などを駆使して探して、やっと見つからない理由がわかった。

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