泉橋寺: 応仁の乱で焼け出された巨大地蔵

近畿地方を横断する木津川という川がある。この川は三重県伊賀市に発し、最終的には淀川に繋がって大阪湾に流れるわりと大きな川である。
途中、当方の住処の近所である京都府木津川市を経由する。国道24号線が木津川と交差する位置にかかっているのが泉大橋である。長さ400m弱で片道一車線だが、鉄骨で組まれたなかなか立派な橋だ(参考記事)。
この橋の前身は、西暦700年頃に行基によって造られたそうだ(wikipedia で行基を調べる; 近鉄奈良駅前の行基像は奈良の待ち合わせポイントの一つだね)。

その当時、泉大橋を管理・守護するために建立されたのが、泉橋寺(せんきょうじ)だ。

泉橋寺の門

木津川の土手から少し下がったところにあり、境内はとても小ぢんまりとしている。およそ30m四方の広さしかなく、建物も小さなお堂が二つ三つあるだけで、あとは墓石が30基ほど並んでいるだけだった。しかし、庭の植物はきれいに手入れがしてあり、眺めていると落ち着く。
寺の周囲も民家が多く、僕以外の人影もないし、とても静かな環境だった。
周りには製茶所がいくつかあり(サントリーのお茶・伊右衛門に記されている福寿園という茶メーカーの本社は、実はここのすぐそばにある)、お茶のいい香りが漂ってくる。心も穏やかになってくる。
そんなわけで、隠れたリラクゼーション・ロケーションだと認定。ナチュラル・トリップできそうだ。

しかし、泉橋寺のポイントはそれだけではない。

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ジョージ、後ろ!

1987年に、George Harrison がカバーしてヒットした “I’ve Got My Mind Set On You” のPV。

中年にさしかかったジョージは、同じように中年にさしかかった頃の志村けんに雰囲気が似ているような気がする。
そして、往年の「8時だョ!全員集合」を彷彿とさせるこのセット。

「ジョージ、後ろ!」と叫びたくなった当方の心境は分かってもらえると思う。

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NHK『だんだん』最終回の日にマナカナ・トークショー (3/28)

NHKへおこしやす!春の会館公開||NHK京都放送局

この日ついに最終回を迎える、 連続テレビ小説 「だんだん」 。
今だから言える撮影秘話、思い出話などを出演者の皆さんから伺います。
そして、バンド 「シジミジル」 が京都で初ライブを行います!

出演は三倉茉奈(田島めぐみ)、三倉佳奈(一条のぞみ)、久保山知洋(山田康太)、東島悠起(坂下俊)の4人。劇中でバンド “SJ” を組んでいた4人だ。
#ただし、劇中ではメジャーデビューに際して男性2人は解雇され、めぐみ&のぞみのみで”スィート・ジュノ”というアイドル・デュオになるわけだが。

トークショー&ライブは 2009年3月28日(土) 15:00-15:45から、京都・二条公園特設ミニステージにて。
詳しくはNHK京都のサイトをチェック。

なお、当日はNHK-FM (京都府向け; 82.8MHz)でも放送されるそうだ。
14:00-14:30はマナカナがスタジオでトーク。15:00-15:30は公園でのライブの中継だそうだ。

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ジョージ・ハリスンのインド風味

当方の最近の趣味は見仏であることは、みなさんご存知の通り。

次は、教王護国寺こと東寺(京都駅から五重の塔が見える、あそこ)に出かけようと思っている。
しかし、さすがは日本を代表する寺院の東寺だ。公式サイトを作ろうという気がないらしい。見つからない。
仕方ないから、いろんな人がいろいろと解説してくれている情報を見ていて、とあるビデオに行き当たった。

東寺の建物や仏像をビデオで撮って紹介しているものだが、BGMに George Harrison を起用している。聞いてみれば、確かに彼の曲は寺院にうまくマッチする。盲点だった。

知らない人のために念のため説明しておくと、George Harrison (1943 – 2001)というのは、ご存知 the Beatles のメンバーだ。
彼はインド文化にかぶれてしまって、ビートルズ時代にもインド風楽曲をいくつか発表している。
仏教もインド発祥であり、確かにジョージのインド風味曲は東寺のBGMとしてしっくり来る。

このビデオを作ったharrison999999999という人はかなりのスキモノらしい。「この国の記憶」シリーズを発表していて、日本の名所旧跡のビデオをたくさんアップしている。
そして、George Harrison がいろいろなところで使われてる。

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室生寺: オヤジ殺しの階段

いとうせいこう & みうらじゅんが『見仏記4』において、その長く険しい石段を「オヤジ殺しの階段」と称している室生寺に行ってきた。
みうらじゅんの仏像探訪記[室生寺篇]も参照のこと

山の中腹に建物が点在しており、それらを見て回るためには石段を登っていく必要があるそうだ。
その石段がかなりキツくて、みうらじゅんが「オヤジ殺しの階段」と勝手に名づけたものだ。
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逆ホワイトデー(はーと)

先月のヴァレンタイン・デイに、某人妻宅に侵入し逆チョコを進呈してきたことは報告済み。まぁ、報告したことに満足して、そんなことなどすっかり失念していたわけだが。

すっかり失念したまま、全国的に天気が大荒れの今日、3月14日ホワイトディ。車のガソリンが切れそうになっていたので、そんな日であることは意識に上らないまま、近所のセルフ・スタンドに給油に向かった。

そういや、前回給油に来たときは、不審車両が隣に停まっていてドキドキしたなぁ、店員がおっかなびっくり様子を伺っていたなぁとか思い出したり。
今日は雨なんだけれど、やっぱり店員がスタンド内をうろうろしていて、なにやら不審な目で僕の方を見ている。

なんだよ、感じ悪いやつらだなぁと思いながらも、彼らからナメられないようにスカしながら給油を始める。隣のロットに軽トラックが入ってきて、何気なくそっちの方に目をやると・・・

シャア専用CYPHAのシッポに不審物

俺のシャア専用CYPHAのシッポに不審なものが付着してる!

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『水晶球』山瀬まみ

山瀬まみが「スーパーマリオブラザーズ」のアニメ映画でピーチ姫の声をやっていたことは知っていたが、その映画は観たことがなかったし、ましてやこんな歌を歌っていたとは知らなかった。
しかし、声は確かに山瀬まみだ。俺が聞き間違えるはずがない。

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『探偵はひとりぼっち』 東直己

「あっけない幕切れ」

この言葉は生まれてこの方一度も使った記憶はないのだが、最近の当方のマイブームであるところの”すすきの探偵<俺>“シリーズの5冊目、『探偵はひとりぼっち』を読み終えたとき、僕は思わずそうつぶやいてしまった。
#脚色ナシ

事件の発端は、すすきののゲイバーに勤めるオカマが自宅マンションの駐車場で撲殺されたこと。彼(彼女?)はゲイというマイノリティ社会に参加しつつも、多くの人々から慕われていた。主人公<俺>ともたいへん親しく、主人公は彼の死の真相を探り始める。しかし、その事件の背後には大物政治家の影がちらつき、様々な妨害にあう。警察やマスコミも事件から手を引き始め、市井の人々も強大な権力に恐れをなし、主人公への協力を渋り始める。主人公は孤立無援で立ち回らなくてはならなくなる。

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『プリンセス・トヨトミ』万城目学

地味な展開で、事件が起きるまで時間がかかり、山場はあっという間に終わってしまうので、チト退屈だった。
確かに緻密に謎が張り巡らされているのは分かるのだが、その謎解きにたどり着く前にギブアップしそうだった、ヤバかった。

読むのがつらくなったとき、僕はウルフルズの「大阪ストラット」を口ずさんで自分を盛り上げた。

他に比べりゃ外国同然
Osaka strut!

やっと謎が明らかにされたとき、僕は小学生の頃を思い出して「グリーングリーン」を歌った。

ある日 パパと二人で 語り合ったさ
この世に生きる喜び そして 悲しみのことを

本書のラスト、バカな男たちを優しく受け入れる女性たちの姿を目の当たりにし、明石家さんまの「真っ赤なウソ」を歌いながら深く感じ入った当方。

どんなに男が偉くても
女の乳房にゃかなわない

同書を読んだ人なら、これらの曲を歌ってしまった気持ちが分かってもらえるはず・・・と信じてる。