NHK『おひさま』第36回

アンサイクロペディアの「タモリ」というウキウキウォッチング式フットグラサンの説明を読み、支離滅裂な文章ながらもなんとなく意味が分かってしまい、じんわりとおかしく、笑いが止まらなかった当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第36回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

陽子(井上真央)が松本へ旅立つ日となった。これから2年間、師範学校の寮生活である。

仏壇の母・紘子(原田知世)に向かって、初めて家を出る不安と、残していく父・良一(寺脇康文)の心配を語りかけた。
そんな心配をよそに、良一は終始明るく、おどけてばかりいた。陽子が玄関に出ると、真新しい靴があった。父が密かに用意してくれていたのだ。それを履き、陽子は意気揚々と家を出た。

安曇野を出る前に真知子(マイコ)の家へ立ち寄ったが、陽子は門前払いされてしまった。しょんぼりと去っていく陽子に、家政婦(大島蓉子)がおそるおそる封書を手渡した。それは密かに真知子が陽子に宛てた手紙だった。
手紙には、先日の事件の詫びと共に陽子の前途を応援する内容が書かれていた。そして、陽子の家の便所の取っ手の切れ端が同封されていた。真知子の抵抗の記念として、ふたりで半分ずつ持っておきたいと記されていた。姿は見えなかったが、陽子は真知子の部屋へ大きくてを振ると、あらためて松本へ向かった。

それから2年間は師範学校で猛烈に勉強をした。楽しみといえば、みんなと近況を知らせあう手紙のやり取りくらいのものだった。

父・良一は慣れない一人暮らしであったが、隣に住むタケオ(柄本時生)一家に助けてもらいながら、なんとかやりくりしているようだった。
長男の春樹(田中圭)は、名古屋大学の医学部に進学した。
次男の茂樹(永山絢斗)は、霞ヶ浦の海軍飛行予科練で厳しい訓練を受けながらも、充実した日々を送っていた。
育子(満島ひかり)からは東京の出版社で充実した日々を送っているという知らせが届いた。勤務先である、丸の内のビルの前で撮った写真も同封されていた。ただし、後に分かることだが、それは育子の嘘だった。

真知子は、卒業式を終えた翌4月に婚約した。相手は神戸の資産家中西氏の次男・武伸(萬雅之)であり、新聞の経済欄で取り上げられるほどの出来事だった。武伸はヨーロッパで鉄道経営を学ぶ予定になっており、それが終わり次第、正式に婚姻するという。

それぞれがそれぞれの道を歩んでいた。
そして、ついに陽子は小学校の教師として安曇野に帰ってきた。

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NHK『おひさま』第35回

ちょうど1年前おたふく風邪にかかったわけだが、そういえばここ数日もちょっと体調が良くなく、5月中旬はそういう季節なんだろうかと思う当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第35回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

陽子(井上真央)と真知子(マイコ)は、真知子の父・剛三(平泉成)から逃れるため、便所に立て篭もった。扉を腕でしっかりと押さえ、剛三を説得するまでは出て行かない覚悟だった。

玄関先では、陽子の父・良一(寺脇康文)が穏便に済ませようと対応していた。しかし、剛三が陽子のことを不良娘呼ばわりし、真知子は陽子にそそのかされたのだと口走ったせいで、良一も頭にきてしまった。一気に険悪な雰囲気となり、剛三は手下に良一を力で押さえつけさせた。その隙に、自分は勝手に家探しを始めた。

陽子と真知子は、近づいてくる郷三の大声に怯えた。しかし、そんな状況でありながらも、ふたりは育子(満島ひかり)のことを思い出した。16,7の少女が家出して上京するということは、現代では想像できないほど勇気の必要な行動である。彼女の勇気にあやかって、自分たちも最後まで戦い抜こうと励まし合うのだった。

ついに剛三が便所にたどり着いた。真知子は、父の言いなりになるのはもう嫌だ、自分の結婚や人生の選択は自分で行いたいと訴えた。もちろん、剛三はそんなものには耳を貸さず、強引に扉を開けようとする。しかし、少女らの必死の抵抗により一度引き下がった。

小康状態になったことに安堵し、陽子は真知子に秘密にしていたことを打ち明けた。
陽子の見立てによれば、春樹(田中圭)も真知子のことが好きに違いないことを知らせた。それを聞いた真知子は、うれしさのあまり涙ぐんでしまった。

そうするうちに、そばにあった道具を駆使して、剛三は扉をぶち壊してしまった。ついに真知子は力づくで連れ戻されてしまった。
陽子は泣き崩れるばかりで、これ以上どうすることもできなかった。

それ以降、真知子とは音信不通になった。

ある日、陽子のもとに育子からの電報が届いた。彼女の試みは成功し、無事に東京で生活を始めたらしかった。同じ電報は真知子にも届いていた。育子の成功は、ふたりを勇気づけるものだった。

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NHK『おひさま』第34回

「真知子巻き」というファッションは知っていたけれど、『君の名は』の内容はほとんど知らず、主人公の名前が真知子と春樹だと知って驚いた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第34回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

育子(満島ひかり)が家出をして上京する日がやって来た。
育子は幼い弟(矢部光祐)と妹(森くれあ)を連れて村上堂に来ていた。まとまった金を女将(渡辺えり)に預け、彼らに自由に菓子を食べさせることと、自分に代わってお年玉を与えて欲しいと頼んだ。逆に、村上堂の主人(斉木しげる)から餞別をもらい、恐縮しつつも感激する育子だった。

決して見送り等はしないで欲しいと育子から言われていたため、陽子(井上真央)は家から出ることはなかった。そのかわり、1日じゅう育子の事を考えてぼんやりと過ごしていた。

真知子(マイコ)も家で考えに沈んでいた。父(平泉成)が、翌月に婚約披露パーティーを盛大に開くことを決めた。自分で道を切り開こうとしている育子に比べ、自分は親に決められた人生を歩むだけである。それでいいのかと思い悩むのだった。

夕方になって陽子の父・良一(寺脇康文)が帰宅した。彼の工場が真知子の父に買収されたという。そこで、今日初めて真知子の父に会ったのだという。良一から真知子の婚約披露パーティーが開かれるという噂を聞いた陽子は、何となく胸騒ぎがするのだった。

夜になって真知子が訪ねてきた。しかも、彼女は髪にパーマを当てていた。
真知子が言うには、育子にならって今日を独立記念日に決めたという。親の決めた結婚には従わない、そしてその決意表明のためのパーマなのだという。家を出て行けと言われたから、その通りに出てきたというのだ。

陽子は、自分の兄・春樹(田中圭)の存在が真知子を変えてしまったのだと思った。
しかし、真知子は必ずしもそうではないと言う。確かに春樹への恋心は続いているが、結婚を拒絶する理由は春樹のことではないと断言した。親の決めた人生に従うことが問題であり、それに抵抗したのだ。

その時、表が騒がしくなった。真知子の父が彼女を探しに来たのだ。大勢に家の周りを固められ、逃げ場を失った陽子と真知子は便所に立て篭もるしかなかった。

その頃、育子も密かに家を抜けだしていた。

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NHK『おひさま』第33回

卒業ソングといえば、いの一番に斉藤由貴の「卒業」(YouTubeで見る)を思い浮かべる当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第33回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

陽子(井上真央)は卒業式の朝を迎えた。
学校に向かう前、仏壇の母(原田知世)に卒業の報告と感謝を述べた。兄たちが居ない家の中で、父(寺脇康文)にも挨拶をし、学校へ出かけた。

陽子は卒業式で号泣してしまい、そのことを親友(満島ひかりマイコ)らにからかわれた。むっとする陽子であるが、それはそれで、いつも通りの楽しい付き合いだった。3人は、永遠の友情を誓った学校のトイレへ行き、あらためて一生の友情を確認した。
そして、下校途中にいつものように村上堂へ立ち寄った。

突然、育子が明後日の夜に家出すると打ち明けた。東京の小さな出版社が雇ってくれることになったのだ。家族が追いかけてこれないように、周到に最終列車で旅立つという。
陽子と真知子には、見送りなどをしないで欲しい、今日でお別れだと告げた。情にほだされると自分の決心を貫く自信がないからだという。

一方で育子は、家族を見捨てるわけではない。幼いきょうだい達(矢部光祐森くれあ)や両親のことについて、何かあったら力になってやって欲しいと陽子や真知子に頼み込むのだった。ふたりはもちろんそれを請け負った。

最後に3人はラムネで乾杯した。
育子の音頭は「女性たちよ、良き人生を」だった。それは育子らしい、明るい別れの席だった。

そしてまた、育子の言動は真知子にある影響を与えた。

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NHK『おひさま』第32回

今夜10:55からNHK総合で放送開始のサラリーマンNEOシーズン6を楽しみにしている当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第32回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

昭和14年3月。
陽子(井上真央)は、卒業式を終えたらすぐに松本へ行くことになっていた。そのための準備で忙しく、親友たちと一緒に行動する時間も減っていた。

大学受験に失敗した育子(満島ひかり)であったが、東京行きをあきらめたわけではなかった。東京で働くことを思い立ち、多くの会社に履歴書を送ったが、どの会社からも採用はされなかった。その上、両親からも上京を反対されたままだ。
そうしながらも、幼い弟(矢部光祐)と妹(森くれあ)の面倒をみて毎日を過ごしていた。

真知子(マイコ)の結婚は、抵抗する間もなく、父・剛三(平泉成)の主導のもとドンドンと進んでいた。今日は松本で、許婚の中西武伸(萬雅之)と初めて会った。
見合いの場は街中のレストランであった。ふと窓の外に、偶然通りがかった春樹(田中圭)の姿を見つけた。春樹への未練を断ちがたい真知子は、帰宅するとすぐに、彼からもらったハイネの詩集を手に取り、涙を流すのだった。

須藤家では、いよいよ茂樹(永山絢斗)の旅立ちの日となった。
今生の別れになるかもしれないと思った陽子は、朝から茂樹の好物のちらし寿司や玉子焼き、焼き鮭などを大量に作った。元気よく出発しようとする茂樹と、それを明るく送り出す父・良一(寺脇康文)であったが、陽子だけは目に涙を浮かべ続けていた。

名残惜しい陽子は、去っていく茂樹にいつまでも手をふっていた。
笑顔で応える茂樹であるが、彼の優しい笑顔を見るのはそれが最後となった。

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NHK『おひさま』第31回

waji さんが今週のあらすじに驚いたとのコメントを書いてくれて、どれどれとwebであらすじを読んだところ「なにぃ!?」と思い、同じくwebで先週のダイジェストを見たところ、確かに誤解を誘う巧妙なセリフになっていることに気づいた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第31回目の放送を見ましたよ。

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第6週「旅立ちの季節」

陽子(井上真央)は松本に向かった。師範学校の試験は、これから4日間続く。
会場の前では、長兄の春樹(田中圭)が応援に駆けつけてくれていた。ガチガチに緊張する陽子に対して、周りにいるのはライバルではなく、同じ夢を共有する友達だ、劣等感を持つのではなく一緒に頑張るつもりで望め、とアドバイスするのだった。それが太陽の陽子だと言われ、陽子は緊張がいっぺんにほぐれた。試験官も驚くほど、明るく受験することができた。

試験が終わり、陽子は安曇野に帰ってきた。合否は、学校に通知されるという。

親友の育子(満島ひかり)と真知子(マイコ)は、飴屋・村上堂で陽子の帰りを待っていてくれた。一通り試験の手応えを話し終えたところで、育子の様子がどことなくおかしいことに気づいた。

育子は、本当は東京女子大学に不合格になってしまったと告白した。育子は嘘を付いたわけではないと弁明した。「東京に行く」とは言ったが、合格したとは言っていないと主張した。大学に不合格だったが、卒業後に上京する決意だ。ゆえに、ひとつも嘘を言っていないと言うのだ。

育子の受験に付き添った真知子もそのことを知っていた。陽子だけが知らされていなかったのだ。

憤慨する陽子だったが、育子にはそうする理由があったのだという。陽子が親友の不幸を知れば、自分のこと以上に落ち込んでしまう。そうなると、師範学校の試験にも身が入らなくなる。だから、試験が終わるまでは誤解させたままにしたと言うのだ。実際に陽子も、育子に続くつもりで、思う存分実力を発揮することができた。

育子は、それまで抑えつけていた感情を全て吐き出し、泣き崩れてしまった。やはり陽子も、自分のことのように泣き出してしまった。
そんな陽子の様子に、育子は約束を迫った。もし陽子が合格していたら、自分に遠慮しないで心の底から喜んで欲しいと言うのだ。それを受けて、合格の知らせが届いたら万歳をすることに決まった。

そして、学校に合格の知らせが届いた。授業は中断し、教室中が喜びに湧いた。
みんなの前で、陽子は万歳を行った。同級生一同もそれにならった。
いつも女生徒を馬鹿にしてばかりだった英語教師の飯田(近藤芳正)も一緒になって喜ぶのだった。

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NHK『おひさま』第30回

今日は某人妻さんとマジスパ・デート(デート?デートなのか!?)なので、昨夜は焼肉でスタミナをつけたわけだが、「そんなにスタミナつけて何をするつもりだ、お前は?」と自問自答するやら、しないやらであり、つーか某人妻の某旦那も付いてくるそうなので狼藉するチャンスは少ないかなぁと思ったり、思わなかったり、ていうかそもそも、あと1ヶ月以内には分娩予定の妊婦さん相手に狼藉は可能なのか不可能なのかよくわからないわけであり、別の方面からは「本気なら焼肉ではなくエビを食べておくべきだ」というアドバイスがあったのか、なかったのかよくわからない当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第30回目の放送を見ましたよ。

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第5週「失恋」

正月休みが終わると、受験に向けて本腰が入った。

まずは、海軍飛行隊の試験が行われる。試験会場の松本へ出発する茂樹(永山絢斗)を、陽子(井上真央)と父(寺脇康文)は精一杯応援しながら送り出した。結果発表を見届けてから帰ってくる予定だ。

続いて、育子(満島ひかり)が東京で女子大学の試験を受ける予定であった。しかし、それについてトラブルが勃発した。
育子の父は、かねてから彼女の進学に反対していた。育子に押し切られて、受験することだけは認めたという経緯がある。それは、どうせ合格するはずがないとタカをくくったからだ。
育子も、受験から合格発表まで東京に滞在する必要がある。東京に身寄りがないため、受験生専用の宿に宿泊するつもりでいた。そのことについて、育子の父が懸念を示した。発表を待つ間、育子が東京で良くない遊びに手を染めるのではないかと心配し始めたのだ。
そのため、育子の父は東京の宿へ電報を打ち、無断で宿泊をキャンセルしてしまったのだ。

受験できないかもしれないと涙ぐむ育子を助けたのは真知子(マイコ)だった。
彼女がどこかに電話をかけると、育子の東京行きの準備が万事整ってしまった。真知子の父の知り合いの家を手配し、真知子がお目付け役として合格発表まで一緒に東京に行くこととなった。もうすでに、真知子の父の使いが育子の家に説明に向かっているという。
真知子の父は安曇野で一番の名士である。この土地に、真知子の父の願いを断れる人間はいないのだ。

もちろん、真知子の父も彼女の願いをすんなりと受け入れたわけではない。真知子は、頼みを聞いてくれないのなら、髪にパーマをあてると言って父を脅迫した。真知子の父は、パーマが大嫌いなのだ。

そうして、育子と真知子は東京へ向かった。

親友と離れ離れの日々を数日過ごすうち、茂樹が松本から帰ってきた。彼は無事に海軍飛行予科練へ合格した。すぐにお祝いをしようと言う陽子であったが、茂樹は陽子が試験に合格した後に一緒に祝賀会を開くことを提案した。そう言って、陽子の合格を祈り、応援するのだった。

そして、育子と真知子も帰ってきた。もちろん、育子も合格していた。
次はいよいよ陽子の受験の番となった。

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港の見える丘公園

NTTドコモのラジオCM「ドコモ スマートフォン『母の秘密』篇」というのがある。これがなかなか面白い。ちょっとヒネクレたオチが最高だ。ぜひ聞いてみて欲しい。
#多少、当方の大人の事情による贔屓目(耳?)があるかもしれないが。

僕がこのCMを初めて聞いたのは、今年の1月か2月ころだったように思う。
CMのストーリーの中に「港の見える丘公園」という場所が出てくる。当時、京都府民だった当方は、「港の見える丘公園」というのは架空の場所だと思っていた。あまりにそのまんますぎるネーミングなので、まさか実在していないだろうと思ったのだ。その、明らかに取ってつけたようなネーミングがCMの演出として面白みを醸し出しているのだろうと思っていた。

しかし、なんと「港の見える丘公園」というのは、神奈川県横浜市に実在していた(横浜市による説明)。

港の見える丘公園の銘板

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NHK『おひさま』第29回

今日は横浜スタジアムのバックネット裏で阪神タイガースを応援する(対横浜ベイスターズ、17:00試合開始。試合速報はこちら)予定の当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第29回目の放送を見ましたよ。

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第5週「失恋」

翌朝は雪景色だった。
川原(金子ノブアキ)とタエ(中村ゆり)は須藤家を辞した。
陽子(井上真央)は終始笑顔のままふたりを送り出すことができた。
一人になっても涙を流すことはなかった。しかし、高熱を出して寝こんでしまった。

何日かして、やっと体調を持ち直した。
嫌味な英語教師・飯田(近藤芳正)の授業中に遅刻して登校してきた。しかし、感情は不安定なままだった。親友たちの姿を見るやいなや、授業の真っ最中に泣き崩れてしまった。誰も事情がわからず、戸惑うばかりだった。

放課後になっても泣き続ける陽子であった。
育子(満島ひかり)は、片想いの相手が自分の目の前で他の女性に求婚する場面に出くわし、しかもその相手と同じ部屋で一晩を過ごすなどという失恋は前代未聞だと茶化した。怒り出す陽子ではあったが、それをきっかけに失恋のショックから少しずつ立ち直るのであった。

そんな失恋話について、現代の陽子(若尾文子)と房子房子(斉藤由貴)は、なんと古風でかわいらしい失恋であったろうかと言い合った。
その時、陽子の携帯電話が鳴った。相手は育子だという。育子は現在ガラパゴスにおり、近々日本に戻ってくるのだという。

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NHK『おひさま』第28回

激しいマジスパ陣痛に襲われ、放送直前までトイレにこもっていた当方が、NHK朝の連続テレビ小説『おひさま』の第28回目の放送を見ましたよ。

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第5週「失恋」

川原(金子ノブアキ)の恋人を目の当たりにして涙を流す陽子(井上真央)であったが、すぐにそれを引っ込め、気丈にも笑いながらふたりを祝福するのだった。

その場にいられなくなった陽子は食事の支度をすると言って台所に逃げ込んだが、すぐにタエ(中村ゆり)が手伝いのために追いかけてきた。
あらためてタエをじっと観察すると、彼女が立ち居振る舞いの可愛らしい人だとわかった。そして、彼女のことを気に入った。陽子は、自分の好きな人が愛している人だから、自分も彼女のことを好きなのだろうと思うのだった。

それでもなお、陽子は辛い思いをしていた。しかし、一人きりになるまでは絶対に涙を見せず、笑顔で通した。

須藤家の男達(寺脇康文田中圭、永山絢斗)は、陽子の心境を思いやると気が気ではなかった。
その夜泊まっていく川原たちの寝場所をどうするか密談を始めた。女性同士を同じ部屋で寝かせるのが筋だが、陽子とタエを一緒にすべきではないと考えたのだ。かと言って、結婚前の男女を同じ部屋に寝かせるわけにもいかない。議論は堂々巡りになった。

そうこうしているうちに、陽子がぱっと部屋割りを決めてしまった。自分がタエを一緒に寝ると言い出し、狼狽する男達を尻目に、さっさと準備を整えてしまった。

夜、陽子とタエは寝る前に話をした。
タエは、生家の口減らしのために辛い人生を送ってきたのだという。いくつか勤め先を変え、今のカフェで川原に出会った。学生と交際を始める女中もたくさんいたが、自分はそんなことをするつもりはなかった。読み書きもできないような自分は、エリート学生たちとは身分が違いすぎると考えたからだ。いいように遊ばれて、彼らの卒業とともに捨てられることだろうと思っていたのだ。

しかし、川原の熱意だけは別だったという。
自分にはタエが必要なのだと言ってくれた。これまでの人生でいつも邪魔者だった自分が、誰かから必要だとされることはとても嬉しいことだと思った。だから、ずっと川原のそばにいたいと思ったのだという。
見知らぬ土地である満州に渡ることも、川原と一緒である限り、なんの不安もないという。

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