ダコタハウスで捕まえて

本日は12月8日である。この日だけは私にとって何よりも象徴的な日である。そう、日本の終戦記念日であると同時に、私がbmbさんから村上春樹の「遠い太鼓」を勧められた日から113日経過した日なのである。この事実から分かることは、大和郡山市のとある書店で村上春樹の「遠い太鼓」を購入し、想像していたよりも分厚い文庫本にちょっとびっくりし、おっかなびっくり最初からページを手繰り始めたのだが、ものの数ページも読んだところで面白いエッセイ集だということが分かって、一気に読み終えたあの夏からすでに4ヶ月近く経ってしまったということである。その4ヶ月近くの間、僕がどんな新しいカフェで夏の暑さをやり過ごし、木の葉舞い散る散歩道でどんな美しい少女に恋をしてそして破れたかとか、いわゆるデビッド・カッパーフィールド式のくだんないことから書き始めねばならないのかもしれないが、その手の話をする気にはなれない。そんなことを書き連ねたところで退屈であくびが出るばかりだし、それにだいたい、僕が先日の名古屋出張へ持っていったスーツケースがうちのネコの爪とぎ代わりに使われていて、あちこちほつれているなんてことを知ったところで、君の知的好奇心が満たされるわけでもあるまい。

続きを読む →

『孤独のグルメ』 久住昌之・谷口ジロー

ひとりで飯を食う男の孤高のダンディズム。
最初はウケ狙い漫画かと思って読み始めたけれど、深いテーマを持ってる。
密かに売れてる理由もよく分かる。

主人公の井之頭五郎は個人で輸入雑貨の貿易商を営んでいる。
ただし、店舗は構えていない。

結婚同様 店なんかヘタにもつと
守るものが増えそうで人生が重たくなる
男は基本的に体ひとつでいたい

『孤独のグルメ』p.17

その言葉どおり、中年に差し掛かっている彼は独身。
絵柄を見る限り、割とハンサムだし、身なりも良いし、言動も紳士的。
留学生のバイトを理不尽なまでに怒鳴り散らす店主に対して、堪忍袋の緒を引きちぎる正義感も持ってる。

そんな主人公が、大都会をさまよい歩き、グルメ本には絶対のならないような大衆食堂に立ち寄る。
そして、孤独に飯を食う。

続きを読む →

長持ちの恋(万城目学『ホルモー六景』)

『ホルモー六景』の第6章「長持ちの恋」を読んだ。

3日間楽しんだ『ホルモー六景』もこの話でラスト。
ありふれたプラトニック・ラブものだけれど、ちょっぴり心温まった僕がいる。

「妙に琵琶湖にこだわるなぁ、何の伏線だ?」
と、イヤでも深読みできるしつこさだったんだけれど、いい意味で期待が裏切られた。
そこに琵琶湖を持ってきますか?と。
おもろい。

だけど、だけど・・・

続きを読む →

同志社大学黄竜陣(万城目学『ホルモー六景』)

『ホルモー六景』の第4章「同志社大学黄竜陣」を読んだ。

物語の舞台がついに京都市内を飛び出し、京田辺市に移った。
京都府民以外の人にはよく分からんかもしれないが、京田辺市には同志社大学のサテライト・キャンパスがある。
そして、僕の自宅から5kmくらいのところが描かれるのである。
近鉄興戸駅とか。
とはいえ、あっという間に舞台が今出川付近に戻されてしまうんだけれど。

続きを読む →

『檸檬』梶井基次郎

梶井基次郎の有名作『檸檬』を青空文庫で読んだ。
およそ5,000文字くらいなので、さらっと読める。

森見登美彦が「京都の裏路地は異界に繋がってるんじゃないかと思う」みたいなことを言っていたような気がするが、そうか原点は梶井基次郎か、と分かった。

京都の町をぶらぶら歩き、途中の八百屋で檸檬を購入し、丸善の本を勝手に積み上げて頂上に檸檬を置いてこっそり逃げてくるという話。
檸檬が爆弾だったらいいのに、その爆弾で嫌いな丸善が吹っ飛べばいいのに、なんて妄想するだけの話。

読んでると、黄色い檸檬の紡錘形がありありと思い浮かぶし、すがすがしい香りもしてくるんじゃないかと思えちゃうから不思議だ。

ちなみに、何で急に梶井なんて読み始めたかっていうと、『ホルモー六景』(万城目学)の3章が面白かったから。
手品の名手に面白いように騙された、すがすがしい感じ。
そして、梶井基次郎が読みたくなる。

『ホルモー六景』(万城目学)を買った

「鹿男あをによし」が来年1月に連続ドラマ化されることで、押せ押せムードの流れている作家・万城目学の最新作が出た。
まだきちんと読んでいないのだが、彼の処女作『鴨川ホルモー』の続編であるようだ。
表紙の「ローマの休日」風(本書の2章のタイトルは「ローマ風の休日」だけどね)のイラストは、前作に登場した主人公の安倍とヒロインの凡ちゃんこと楠木さんっぽいし。

ちらちらと眺めたところ、前作の登場人物も出てくるし、それ以外の登場人物も出るみたいです。
同志社大学の京田辺キャンパスが出てきたりとか、京都市内も飛び出してるっぽいです。

これからじっくり読みます。

続きを読む →

『機動戦士ガンダム The Origin 16』安彦良和

本屋に行ったら売られてた。

帯には
「オデッサ作戦終結!TV版とは異なる壮絶な決着が描かれる!」
と惹句が書かれてる。

オデッサ作戦といえば連邦軍レビルとジオン軍マ・クベの総力戦。
ご存知のとおり、マ・クベが破れ、「ジオンはあと10年は戦える」と言い残して宇宙に逃げていくシーンは、TV版ガンダムの名シーンの一つ。

そんなマ・クベが表紙の16巻。
そして、マ・クベの象徴である愛機ギャンも描かれている。

これが意味するところは・・・?
買って読め。

ところで、16巻では、妙にニュータイプへの覚醒をほのめかす描写が多い。
The Origin もついにターニングポイントか?
今回でオデッサ編は終了で、次はララァ編らしいし。
#ララァといえば、ニュータイプの象徴ね。一応言っておくけど。

『バーバーハーバーNG』小池田マヤ

NGは No Good ではなく、”Next Generation” の NG。

そもそも『バーバーハーバー』とは、大阪府吹田市の理髪店主と東京でOLをやっている女性との遠距離恋愛を題材にしたラブ・コメディ。
関西に引っ越してきた当初、当方は関西弁や関西文化のイロハをこのマンガで学んだ。

オリジナル・ストーリーは単行本7巻で、主人公の男女が結婚したところで終了。
本書 “NG” は、彼らの子どもの世代を中心に据えた物語になってる。

作者の小池田マヤは、4コマストーリー漫画の名手。
紙面は必ず4コマに分かれているのだが、4コマで区切れるわけではなく、リズミカルかつスムーズに話が流れていくので人気高し。
『すぎなレボリューション』とか『聖★高校生』とかが代表作だろうか。
彼女の作品は、たいていエロいけど。

そんなエロ・ラインナップの中にあって、『バーバーハーバー』シリーズだけは、エロさ控え目(ていうか、ほとんどない)で、小さなお子さんでも安心して読めます。
でも、小さなお子さんには難しいネタが多いけど。

続きを読む →

教えて偉い人: ケネス・アローの所得再配分定理の話

先ほど、近所のジョイフルでチーズハンバーグに納豆ご飯という、なんだかよく分からない組み合わせで夕食をとっていました。
溶けたチーズの糸と納豆の糸が渾然一体となって、なんとなく気持ち悪いなぁと思いながらも、『まっとうな経済学』の3章”完全競争市場と「真実の世界」”あたりをつらつらと読んでいました。

経済学者ケネス・アローの定理が紹介されている部分にさしあたった。
しかし、著者のティム・ハーフォードの原文が悪いのか、訳者である遠藤真美の訳文が悪いのか、単に僕の頭が悪いのかよく分からないが、よく分からないなりに、この3つの可能性は後ろに行くほど蓋然性が高いのだろうなぁと想像しているわけですが。
とにかく、アローの所得再配分の話が面白そうで重要そうなところまではわかったのだが、中身はさっぱり意味が分からなかったのです。

続きを読む →

『芸能グルメストーカー』泉昌之

先日、有名蕎麦屋である赤坂・砂場において、『誰も寝てはならぬ』の表紙や小泉今日子のエッセイに掲載されている写真の再現写真を撮影してきたわけだが。

当方にとってウレシハズカシなことであるが、会社で隣の席のあんちゃんがそれを見てバカウケしてくれて。
しまいには「もっと写真を撮るべきだ」という話になり、『誰も寝てはならぬ 4』の表紙を再現してはどうかという話になった。
2人必要なシーンなので、隣の席のあんちゃんも一緒に行ってくれるそうだし。

誰も寝てはならぬ 4 (4) (モーニングワイドコミックス)

で、この場所はどこか?ということになった。
結論から言えば、「誰寝」の4巻の表紙カバーに「牛に引かれて善光寺まいり」と書いてあったわけだが。
しかし、会社には本が置いてなかったので、昼休みを全て費やしてぐぐりまくった。

そして見つけたのが、このるるぶのページ。
「誰寝」の表紙にそっくりだ。
そうか、善光寺か。
年に1度くらいしか行われていないようだが、来年はいざ長野・善光寺である。

続きを読む →